初心者が、お金を運用するためのイチ押しとして「投資信託」についてずっとお話しています。
復習すると、私たち(投資家)から集めたお金を、数十億〜数千億円の単位にして、運用会社が株式や債券などで運用するのが投資信託。投資家は運用で得られた値上がり益や分配金を受け取ります。元本保証はなく、値下がり損をこうむることもあります。
ところが、投資信託の中には、値下がりの心配がほとんどなく、預金と同じ感覚で使えるものもあります。今回ご紹介する「MMF(エムエムエフ)」はそのひとつです。
証券版「定期預金」といえるMMFのしくみ
MMFは、マネー・マネジメント・ファンドの略。1円単位で預けることができ、1ヶ月たったら手数料なしでいつでも解約できます。つまり、1ヶ月先に使う予定のお金も預けられるし、3年後や5年後のお金も預けられます。
運用先に株式は全く入っておらず、債券など安定した商品で運用するので、値下がりや元本割れの心配はほとんどありません。
預金のように約束された「金利」はありませんが、過去1週間の運用の実績を1年に換算した「利回り」が発表されているので、これを参考にすることができます。運用会社によって、少しずつ利回りは違います。
ちなみに、06年9月現在の、利回りの例は表1のとおり。都市銀行の定期預金1年なみのものが多いようです。このように、出し入れ自由で定期預金より便利なのに、利回りはほぼ同じというのがMMFの魅力です。
取り扱いは「証券会社」。皆さんが5月号で口座を開いた(はずの)ネット証券でも、クリックひとつで預けられます。
世の中の金利に合わせて利回りが上がる
ところでMMFの実力はこれだけではありません。運用の実績で利回りが変わるということは、預け入れた後に利回りが上がる可能性があるということ。「変動金利」の商品に似ています。
定期預金は「固定金利」なので、預けたときの金利が満期まで変わりません。0.35%の3年定期預金に預けたら、その後の3年間に世の中の金利が上がっても、下がっても約束どおりの利息が払われます。
対してMMFは、世の中の金利が上がると利回りも上がり、下がると下がります。
つまり世の中の金利が上がりそうなときはMMFが、下がりそうなときは定期預金が有利なのです。
では今の日本の金利はどうでしょう。7月にゼロ金利が解除されて、預金の金利なども少しずつ上がり始めています。
今、安全な商品に預けたいと思うなら定期預金より、MMFが有利になる可能性が高いとにらんでいます。
投資や運用というと、リスクのある株式などだけを考えがちです、安定した商品を上手に使いこなすことも、運用の大切なポイント。普通預金に眠っているけど、株式や株式投資信託は買いたくないというお金があれば、この際、MMFへ預けてしまいましょう。
なおMMFには、米ドルやユーロなど外貨のものもあり、こちらはリスク(外貨リスク)があります。次回お話しましょう。
(中村芳子 月刊ベターホーム10月号より) |