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マネーコラム

50代で考える相続

 

■ 自分が死んだときのことを

 50代で心配するお金のことというと「長生きして生活資金が足りなくなったら困る」こと、「病気や介護でお金がかかったら困る」ことの2つが大きいだろう。子どもはそろそろ独立する年齢なので「オレが今死んだら、残された妻子は・・」という心配は小さくなっている。
 しかし、やはり「死んだときのこと」も考えておきたい。

 先日、知り合いの弟さんが亡くなった。結婚していたが子どもがなかったので相続の手続きが大変だったという。預金ひとつを引き出すにも、配偶者+兄弟5人分の署名・捺印や印鑑証明などが必要だったのだ。

 ここで、相続のことをざっと復習してみよう。

 ある人が亡くなると財産を受け継ぐのは原則、法定相続人だ。法定相続人は第1順位が「配偶者と子」。法定相続分は配偶者が1/2、子が残り1/2だ。子が複数いれば1/2を等分する。 第2順位は「配偶者と父母」。亡くなった人に子がいない場合、相続分は配偶者2/3、父母1/3となる。
 第3順位は「配偶者と兄弟姉妹」。子がなく父母がすでに亡くなっている場合は、配偶者3/4、兄弟姉妹1/4となる。

 配偶者がいない場合は相続する権利はまず子、子がなければ親、親もなければ兄弟姉妹となり、兄弟姉妹もなく遺言もなければ、財産は国のものとなる。
 
■ あなたの法定相続人は?

 自分や配偶者が亡くなったとき、誰が相続人となるかを確認してみよう。

 いちばん問題が起こりやすいのは、結婚していて子どもがない場合だ。
 親が健在なら親が、親がすでに亡くなっていて兄弟姉妹がいれば彼らが、相続人となる。兄弟姉妹がすでに亡くなっていて、彼らに子(つまり亡くなった人の甥や姪)があれば、その人が親に代わって相続人になる。

 亡くなった人の預金や証券を引き出したり、不動産の名義を書き換えるには、原則として相続人全員の承認が必要だ。親や兄弟姉妹、甥姪は、本人が望まなくても相続に関わることになってしまう。

 そうなると手続きだけでも大変だ(全員の印鑑証明や戸籍抄本、書類への記名・捺印が必要)。親が病気で署名ができないとか、妹が外国在住とか、甥が行方不明ということもある。
 その上、まとまった財産があるとやっかいなことになりやすい。1人でも理不尽な主張をする人がいると問題が複雑になるだけでなく、関係者全員がいやな思いをしたり傷ついたりすることになる。

■ 家族を愛しているなら遺言書を

 そうならないために、子どものいない夫婦は、両方ともが遺言書を作っておくことだ。「財産を全部妻(夫)の○○に相続させる」、あるいは確実に残したいものを指定して「××と△△は、妻(夫)の○○に相続させる」という内容の遺言をつくる。全部を自筆で書き、署名捺印する「自筆遺言証書」でもいいが、公証人の立合いで「公正証書遺言」にしておくと確実だ。

 夫婦に子がないときは親に「遺留分」がある。「全部を配偶者に」と遺言しても、親は相続財産の1/6を請求する権利があるのだ。実際にこの請求がされる例は少ないそうだが、達者な親がそうする可能性があると思えば、最初からその分の財産を親に残すという遺言にするといいだろう。
 すでに親がないなら、兄弟姉妹には「遺留分」を請求する権利がないので、まず問題なく財産全部を配偶者に相続させることができるはずだ。

 では、子どもがいれば遺言は必要ないだろうか。そうとは言えない。子どもが2人以上なら問題が起こる可能性はある。残されたのが現金だけなら簡単に分けられるが、不動産は、誰がどういう割合で相続するのか、どう分けてどち
ら側をとるのか、売るのか売らないのか、もめやすい。不動産は配偶者に、子どもたちは生命保険金と預金など、具体的な指定があるともめずにすむ。

 再婚した人は、現在の妻(夫)との間の子だけでなく、前の妻(夫)との間の子も相続人となり、同じ相続分となることを知っておこう。やはり具体的に誰に何を相続させるという指定があると、遺族は助かる。

 今とくだん健康に問題がないと、あと数十年は生き延びられる気がするもの。しかし50代。冷静に考えれば気づくが、いつ何が起こっても不思議ではない。
 自分の相続を考えて準備する。これも50代に欠かせないマネープランのひとつだ。


(マネックスメール 10年後に笑う!マネープラン入門より)


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